
ときとは積み重なってゆくもの。 時間は止まることも戻ることもなく、淡々とすぎてゆくものである。だからこそ戻ることのないときを大切に思ったり、これから訪れる未来を想像する。それは、どんなものにでも共通し平等にあるものである。過ごしてきた時間は、積み重なり今の自分を形成している。学生という区切りを迎えた自分自身のときの積み重ねを視覚化し表現した。

まず始めに、書道とは毛筆を使って文字を書く芸道、書の美を表す東洋の造形芸術である。一般的には楷書・行書・草書・隷書の4体からなる。紙と墨だけで生み出される美しさ、面白さ、力強さを他の素材でもそれが表現できるのか、書の可能性を確かめたくなった。墨だけで書かない。紙だけに収まらない。平面に留まらない。日本は古来、書を空間の一部として取り入れてきたが、様々な方法で作られた書は空間にどのような影響を与えていくのだろうか。

卒業制作を行うにあたり、私は自らの作品に「人の思索を触発する存在」である事を求めました。 作品への意識の流れは正方形に、自らを見据える意識の流れは円形に。 空間へ作品を挿入するという行為を手段、光と奥行きという効果を道具とし、触れた人が作品によって生まれた空間の変質に目を向けることで、他の存在の変質を強く認識した時に生まれる、強い自らへの意識を体感してもらうことを目標に制作しました。 私がこの作品に感じたものは、ふたつの流れとふたつの視線でした。

ときとは積み重なってゆくもの。 時間は止まることも戻ることもなく、淡々とすぎてゆくものである。だからこそ戻ることのないときを大切に思ったり、これから訪れる未来を想像する。それは、どんなものにでも共通し平等にあるものである。過ごしてきた時間は、積み重なり今の自分を形成している。学生という区切りを迎えた自分自身のときの積み重ねを視覚化し表現した。